家呑み-白隠正宗 生酛の純米酒 26BY
この冬(2016年)のお燗酒にいいかなと思って購入したお酒です。「白隠正宗(はくいんまさむね)」の生酛の純米酒、蔵元は静岡県沼津市の高嶋酒造株式会社です。今回いただいたのはH26BYですので、醸造から8ヶ月から1年程度経った古酒になります。
お燗酒用に購入したとはいえ呑み始めは冷蔵庫で充分冷やした状態で。栓を抜くと感じる上立ち香は、穏やかですが熟成された練れた感じの香りがします。お酒の色は緑色系の若菜色が最も近いでしょうか。
充分冷やした状態での一口目。やや固い感じの口当たりですが、お酒が口腔を覆うようなとろみを感じます。控えめな旨味と乳酸様な酸味の味わいで、呑み込むと喉の奥にまで味が残ります。口中で転がすと、酸味が強調されます。
さらさら~と浮ついた感じではなく、生酛のお酒らしいどっしりと腰を据えた深い味わいです。器に注がれた分をクイッと呑み干すのではなく、時間をかけてゆっくりと呑みたくなりました。
その後少し日を置いて呑み続けました。開栓から10日後では冷酒だとカラメルの様な甘さが少し出てきましたが、さらに10日程経つと熟成香は増しますが甘味は感じなくなりました。その後も冷酒では味わいの傾向に大きな変化はありませんでした。
それではお燗に点けるとどうなるか、開栓から10日後に試してみました。
30℃前後(日向燗)……おっと、試すの忘れてました。不覚(-_-)
35℃前後(人肌燗)……冷酒よりも酸味が増してきました。味わいは濃いのですが、冷酒よりも呑み易く酸味の他に旨味と仄かに甘味も感じます。
40℃前後(ぬる燗)……人肌燗よりも味が少し薄まりましたが、呑み易いかも。旨味が前面に出てきます。鯵の塩焼きが食べたくなりました。。
45℃前後(上燗)……味わいはまた濃くなったでしょうか。生酛のお酒らしい強めの酸味と旨味のバランスが、呑んでいて心地よいです。あくまで個人的な感想ですが、肉じゃがを食べながら呑みたい味わいでした。
50℃前後(熱燗)……旨味が前面に出てきて、それまで味わいの核だった酸味は奥から感じるようになりました。さらに甘味も仄かにあり、これまでで最も呑みやすい味わいになりました。それでも味は濃いので、脂が充分のっている本マグロの中トロや旬の時期の鰤の刺身とか、肉料理だと豚の角煮などと併せていただくのも楽しいでしょうねぇ。
55℃前後(飛びきり燗)……熱燗よりも味が薄まり、少しぼやけた感じがしました。チョイと温めすぎだったかもしれません。
上述を見ておわかりになると思いますが、今回試した温度帯で最も好みだったのは熱燗で、その次は上燗でした。これらの温度帯で呑んでいると、あの料理とはどうだろうとか、この料理と併せると美味しいかもとか、色々と想像できて楽しかったです。
醸造時に乳酸菌を加えるのではなく、蔵元に住み着いている天然の乳酸菌を取り込む昔ながらの生酛造りで且つ1年前後寝かせたお酒。生酛らしい乳酸由来の酸味と熟成感を感じさせる香りは人によって好みが分かれるでしょうが、アチキはお燗酒でいただいた時の味わいが程良くて楽しむ事ができました。当面、お燗酒はこのお酒でいただく事になりそうです。
でもほんの5℃違うだけで味わいが変わってきたのはお燗酒の奥深さでしょうか。このお酒のお燗にはこの温度帯!!を見つけるのは毎度の事ながら試行錯誤の連続です。
白隠正宗 生酛の純米酒 26BY
醸造元:高嶋酒造株式会社(静岡県沼津市)
原料米:誉富士(静岡県産), あいちのかおり(静岡県産),
精米歩合:麹米 誉富士 65%, 掛米 あいちのかおり 65%
アルコール度数:15.0度,日本酒度:記載無し
酵母:静岡酵母NEW-5,酸度:記載無し,アミノ酸度:記載無し
製造年月:2015年11月
購入場所:髙原商店,価格:2,500円+消費税(1800ml)
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