家呑み-大倉 山廃特別純米 備前雄町 無濾過生原酒 直汲み 25BY
少し年月の経ったお酒です。奈良県香芝市にある株式会社大倉本家の「大倉(おおくら)」山廃特別純米 無濾過生原酒のH25BYです。25BYですからおそらく仕込みは2014年初旬で、2年近く経っているお酒です。発売は2014年11月で、酒米は備前雄町を使用しています。
呑み始めたのは11月中旬、開栓すると少し練れた?熟成した感じの香りがします。お酒の色は少し色づいた黄緑色系で、若草色か洋風だとレタスグリーンが近いでしょうか。
先ずは冷蔵庫で十分冷やして状態の一口目、ナッツかバナナのドライフルーツの様な風味を感じてから濃厚な旨味が突進してきて遅れて酸味が付いてくる、それでいて後味はドライな辛口、骨太でしっかりした味わいです。
まるでレスピーギの交響詩「ローマの松」の終曲「アッピア街道の松」の、それもクライマックスを聴き終えた気分、ホール中に響き渡る大音量を体感した感じが真っ直ぐに伝わるお酒の味わいと似ている気がしました。まあ、あくまでアチキ個人の印象ですが。
それとも江戸川乱歩の短編「火星の運河」の読後感かしら、あ、これは狂気だからチョイと違うか。
口中で転がすと、ドライな感じと酸味が強調されます。また、室内に置いて少し温ませても同じ傾向でした。
開栓してからしばらく経つとドライな感じがより強くなりました。
このお酒を食事中に呑むとしたらどんな料理が合うでしょうか?この季節だと、魚料理は鰤の照り焼きに鯖の味噌煮や鮟鱇鍋、肉料理ではもつの味噌煮込みやドミグラスソースを使ったシチューやハンバーグなど、濃い味の料理がこのお酒の味わいに合うと思います。ちょっとしたおつまみだと塩気が強めのチーズやビターチョコレート、炙った鮭とばも楽しいかもしれません。
開栓直後ではなくしばらく経ってドライ感が増した頃でしたが、お燗に点けるとどうなるか試してみました。
30℃前後(日向燗)……酸味主体の味わい、山廃に多い癖のある味わいや日本酒の辛さは和らぎました。
35℃前後(人肌燗)……器に注ぐときから辺りにお酒の香りが漂います。ソフトな口当たりで酸味主体の味わいです。
40℃前後(ぬる燗)……口当たりは変わらずに柔らかく、旨味と甘味を感じます。呑み込んでも甘さがしばらく残り、遅れて酸味を感じます。
45℃前後(上燗)……柔らかい酸味の後から旨味、コクがあります。呑み込んで後だと、今度は旨味がしばらく残ります。この差、面白い。
50℃前後(熱燗)……味の傾向は上燗と同じでした。安定してきたのかな?
55℃前後(飛びきり燗)……これまでより酸味が少し薄まって旨味主体の味わいになりました。料理に合わせやすいと思います。
チョイとした温度の違いで味わいに変化があって、面白かったです。低めの温度帯のお燗では食後にゆるりと呑みたい、温度を上げたら食事中に呑みたくなりました。飛びきり燗だと合わせる料理の巾が拡がるかもしれません。
蔵元のWeb Siteを拝見しますと、「大倉」は純米酒、山廃仕込みなど造りに拘った銘柄だそうです。今回は偶然に25BYのお酒を呑む機会がありましたが、いつか新酒も呑んでみたくなりました。
大倉 山廃特別純米 備前雄町 無濾過生原酒 直汲み
醸造元:株式会社大倉本家(奈良県香芝市)
原料米:備前雄町, 精米歩合:70%
アルコール度数:17.0度以上18.0度未満,日本酒度:+6前後
酵母:協会701号,酸度:2.7前後,アミノ酸度:1.5前後
製造年月:2016年11月
購入場所:酒のなかがわ,価格:2,800円+消費税(1800ml)
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