この冬の新酒です。広島県東広島市の蔵元金光酒造合資会社の「賀茂金秀(かもきんしゅう)」純米しぼりたて生うすにごりです。

生酒ですから要冷蔵ですね。普段は冷蔵庫でキンキンに冷えた状態で保存し、呑みたい時に冷蔵庫から出します。
開栓する前におりが瓶の底に沈んでいるので、ゆっくりと逆さまにしておりを均一にします。栓を抜くとシュッと音とともに炭酸ガスが抜けるのが判ります。
少し黄緑色がかったお酒からは、うっすらとした甘い上立ち香がします。
先ずは一口目、キリッと口当たりです。メロンを思わせるような酸味や旨味に加えて甘味があり、口中で転がすとピリピリとしたガス感がします。呑み込むとほんのりと後味が残りますが、やがてスーッと消えていきます。キレもあって呑んでいて心地よいです。
しばらく置いて少し温んだ状態にすると、ガスが抜けたからか口当たりが少し円くなりました。
開栓してから2週間程経っても、栓を抜く度にガスがシュッと音を立てて抜けていきます。まだまだ活きてますねぇ。味の変化は殆ど無く、甘味を伴った酸味・旨味とキレの良さは健在でした。
このお酒でもお燗に点けて味の変化を唎いてみました。
10℃位(冷酒 花冷え)……キンキンに冷えた状態より少し温んだ状態。酸味と旨味のバランスがアチキ好みですが、ほんの少しだけ苦味も感じました。
15℃位(冷酒 涼冷え)……さらにチョコっと温度を上げると苦味が消えて甘味が出てきました。
20℃位(所謂冷や)……甘味や酸味よりも旨味が前面に出てきました。
30℃前後(日向燗)……冷やよりもさらに旨味主体の味わいになってきましたが、まだまだ少しだけ甘味もありました。
35℃前後(人肌燗)……日向燗での味わいと比して変化は感じませんでした
40℃前後(ぬる燗)……あらま、再び酸味が出てきました。その分、味が濃くなった気がします。
45℃前後(上燗)……やはり酸味は感じるものの、旨味と酸味が混じり合ってきている感がしました。味がまとまってきたかな。
50℃前後(熱燗)……すっかり円くなりました。冷酒で感じたキレの良さは無く、口に含むとふわっと感が口中に拡がります。味わいもアチキ好みでして、旨味酸味のバランスが心地よかったです。
55℃前後(飛びきり燗)……あぅ、今回試すことができませんでした。
お酒が温まるにつれて、角が取れて円くなっていき、旨味が前面に出てきた感じがしました。今回も色々な温度帯で試しましたが、最もアチキ好みだったのは熱燗でした。
面白かったのは温度が上がってなりを潜めた酸味が、さらに温度を上げてぬる燗辺りすると、もう一度出てきた事。微妙な温度差で味の変化を楽しめました。
食事をしながら呑むよりは食後にゆるりといただく、このお酒では冷酒でもお燗でもそんな呑み方ばかりしてました。
賀茂金秀 純米しぼりたて生 うすにごり
醸造元:金光酒造合資会社(広島県東広島市)
原料米:八反錦100%,精米歩合:60%
アルコール度数:16度,日本酒度:記載なし
酵母:記載なし,酸度:記載なし,アミノ酸度:記載なし
製造年月:2012年11月
購入場所:髙原商店,価格:2,625円(1800ml,税込・当時)

最近のコメント