いちべえ高瀬斉先生の日本酒講座(2007年1月)
1月27日に荻窪いちべえに於いて漫画家で日本酒評論家の高瀬斉先生による日本酒講座が催されました。今年最初の講座です。テーマは前回の続きで「日本語用語解説」。お酒に関する用語の解説でした。その中で幾つかを以下に書き抜きます。
造りに関するもの・酵母仕込(酒母省略仕込)……醪を作る際、酒母ではなく酵母を入れる仕込のこと。
・酵素剤仕込……酵素剤で米を糖化させる仕込。原材料の1/1000まで添加が認められている。
・火入れ……62~68(65)℃の温度帯に酒を通して殺菌処理を施すこと。品質管理上、最近は火入れを施した後急冷する方法を用いる蔵が増えている。
・斗瓶囲い……鑑評会出品酒等の保管に1斗瓶を用いることがあるが、斗瓶は割れやすいのが多いので木枠などで瓶を囲んで保護している。最初に使われた斗瓶は速釀酛に使う乳酸が入っていた容器だったらしい。
・袋吊り……醪を袋に入れてタンク内に吊り、自重で滴り落ちる酒を集める方法。大吟醸など酒を搾る時に用いられる。その他
・宮水……西宮の水で醸された「桜正宗」が良質だったことから、「西宮の水」が略されて「宮水」と呼ばれた。中硬水でミネラル分がが豊富なので酵母が活発になる。
・呑み切り……タンクで熟成させたお酒の質を確認すること。
・火落ち……火入れに失敗し、酒に火落菌が入り白濁したり酸っぱくなったりする事。
・柱焼酎……江戸時代の伊丹のお酒など、酒質を保つために焼酎を添加した。
・金魚酒……金魚が泳げるくらい薄いお酒。戦中戦後など物資が乏しかったときのお酒。
用語の説明が終わった後、日本酒銘柄の読み方クイズがありました。全部で40問ありましたが、アチキが正解したのはたった8問(>_<) こんなの読めないよってのも幾つかありましたが、例えば、
「雪湖」 「蔵粋」 「貴運久」
読めますか?アチキはどれも読めませんでした。正解は後日にでも...
講座後は宴会です。今回は新潟県南魚沼市塩沢の青木酒造(株)の営業さんがいらっしゃったので、そこのお酒「鶴齢」(かくれい)4種と「雪譜」(せっぷ)1種をいただきました。新潟のお酒っていうと所謂淡麗辛口のお酒ばかりで何とも...という印象があるのですが、青木酒造さんの「鶴齢」はお酒の旨みを感じさせる造りをしている新潟県でも希な酒蔵です。
乾杯は「鶴齢」純米大吟醸斗瓶採り生原酒で。酸味と旨味が程よくすーっと呑ませます。お燗でもいただきましたが、香りがさらに立ち旨味も増してなかなか良かったです。今回いただいたお酒で個人的に好きだったのは、「鶴齢」純米吟醸 美山錦 でした。しっかりした旨味が感じました。淡麗辛口を全否定しませんが、何処の彼処も同じ造りってのはそろそろ止めて、青木酒造さんみたいに蔵元独自の味を出すべきじゃないかと呑みながら思いました。
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コメント
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「雪湖」は読めないっす(^^;)。
あとの2つは読めます。というか、他の事で知りました(軽く自慢)。
1/27ですよね〜。
私は夜9時頃にいちべえさんに行きました♪
投稿: 地酒星人 | 2007/02/01 18:25
>地酒星人さん
「蔵粋」と「貴運久」は読めましたか。「雪湖」は難しいと思います。
1/27はニアミスでしたね~。アチキは19時頃にお店を出ました。
投稿: Hory | 2007/02/02 22:24