« 荻窪いちべえ 志太泉 唎き酒会 | トップページ | また風邪っぴき »

2005/07/07

いちべえ高瀬斉先生の日本酒講座3-2

6月25日に荻窪いちべえに於いて開催された高瀬斉先生による日本酒講座第3回「酒造りの神秘、米・米麹,酵母」の概要です。先日書いたものの続きで、「米麹」と「酵母」についてです。参考資料は当日配布されたテキストです。

米麹

麹は暖かく湿ったところに繁殖する。
古代縄文人はごはんを暖かく湿ったところに置くと麹菌が生えることを知る。その条件に当てはまるのが洞窟。洞窟がある自然環境下にあるものだけが麹を作成。(寒ければ焚き火)
→室町時代に酒造りが産業となり、麹造りも職業として成立(京都)
麹造りの為の室(築山に横穴)の登場

麹菌の種類
 日本酒造りには黄麹(アスペルギルス・オリーゼ)が使用される。
 味噌,醤油,味醂も同じ黄麹を使用。

 沖縄の泡盛には黒麹菌,中国や朝鮮はクモノスカビ

 今年の造りでは秋田の2品種が焼酎用の麹菌を使用。
 ・「天の戸」黒麹菌使用(クエン酸が多い)
 ・「まんさくの花」白麹菌(黒麹の人工突然変異株)生老ねしにくい酒

麹の働き、酵素
 麹の働きはお米の澱粉質を糖分(麦芽糖→ブドウ糖)に変える事で、
 これはグルコアミラーゼという酵素の働きによる。
 澱粉糊を液化するαアミラーゼ,蛋白質を分解し酒の旨味のもとである
 アミノ酸やペプチードを作る酸性プテアーゼという酵素がある。

 淡麗種はアミラーゼを強く、プロテアーゼの弱い麹で仕込む。
 糖化酵素で代用する蔵もあるが、糖化のみでアミノ酸の生成が無く本
 来の日本酒の旨味を表現するには無理がある。

 三段仕込みの場合、添えは酵素力の強いもの、仲,留は順次酵素力
 の弱いものと使い分ける。

何故、麹蓋なのか
 麹蓋の寸法:1尺4寸3分×1尺×1寸7分(433×303×52mm)
 蓋だと盛る量が少ないために相対的に表面積は大きくなり乾きやすく
 温度が上がりにくく、麹にとって繁殖しづらい環境にあり生存条件とし
 ては厳しい条件にある。
 →生きるために必死になる→しっかり破精込んだ強い麹菌になる
 →腐造防止
 
 大手は機械を使用。蔵によっては吟醸酒は蓋麹を使用するなど使い分
 けている。


酵母

麹菌が造った糖分を食べアルコールと炭酸ガスに分解するのが酵母の仕事。

M28年東大 矢部規矩治が日本で始めて清酒酵母を純粋分離
→サッカロミセス・サケ・ヤベ

M39年醸造試験所で全国の優良清酒から分離し培養した優良酵母を協会1号酵母として、初めて全国酒造家に配布

協会酵母
 「協会X号」と数字が付けられている。
 泡あり酵母・・・・6,7,9,10,11,14号 酵母によって造られるお酒の味
 わいが違ってくる。
 泡無し酵母・・・・上記数字の下2桁に01を付与、601号,1401号等。
 泡あり酵母に無い1501号がある。
 その他、小酸性酵母や高エステル生成酵母など別途契約が必要な
 酵母がある。(呼び名は数字)

泡無し酵母
 T5年に初の発見報告。
 S6年設立の新潟醸造試験場の最初の仕込が泡無しだった。
 S37年 島根県「簸上政宗」より泡無し醪の相談が醸造試験場に持ち
      込まれる。
 S44年 協会7号より泡無し酵母の分離、実用化
 S46年 協会6号より泡無し分離

 高泡酵母数億匹に1匹の割合で泡無し酵母がある。

 泡あり酵母が好気性に対し泡無し酵母は嫌気性

ハワイの泡無し酵母
 二瓶孝夫(ホノルル酒造) 戦後の酒質建て直しで招かれS36年偶然
 泡無し酵母を発見
 S45年 日本醸造協会より「技術賞」

泡無し酵母の効用
 泡消し作業がいらない、同じ大きさの樽で多量作成が可能、管理が楽

現在、8~9割の蔵が泡無し酵母を採用している。

花酵母
H10年 東京農大 中田久保により発見
東京農大花酵母研究会 全国30数社で採用

以上です。ラベルに書かれていて、酒の味を語るときに話題によく上る米、米麹、酵母について恥ずかしながら初めて知ったことが結構ありました。

« 荻窪いちべえ 志太泉 唎き酒会 | トップページ | また風邪っぴき »

お酒」カテゴリの記事

日本酒講座」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: いちべえ高瀬斉先生の日本酒講座3-2:

« 荻窪いちべえ 志太泉 唎き酒会 | トップページ | また風邪っぴき »

フォト
2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

にほんブログ村

無料ブログはココログ